Center for the Promotion of Global Education

グローバル教育推進センター交換留学マンスリーレポート

チュラロンコン大学
2025年 2月号 国際学部 Y.S

余暇の過ごし方

平日は授業(グループワーク中心)で、「座っていろんな人と喋る」ということが多いため、放課後や休日は「ひとりで黙々と身体を動かす」という真反対の過ごし方をしています。要はスポーツです。

別の回でも書いた通り、私は空手の道場に通っています。つい先日昇級試験に合格し、8級になりました。習った型の動きをひとりで繰り返し練習し、だんだんと自分のものにしていくのが私にとっての至福のときです。

また最近になってバトミントンも始めました。サークルのようなものに参加し、行きたい時に顔を出す、というかなりライトなものです。初めて参加したときはサーブが打てず、ラリーも続かずと散々でしたが、ショットを打つときの感覚が気持ちよくてハマってしまいました。

何か新しくスポーツを始める際、教室を探すのが一般的ですが日本より高くつく場合が多いです。そういくつも習えるものではありません。そのため、イベント系プラットフォームやSNSなどを通じてサークルを探す方がより無難です。都合が合う日に参加を申し込み、その都度会費を払うので、「なんか向いてないかも…」と感じたらスパッとやめられる気軽さもいいです。

空手とバトミントンに続き、最近はランニングもやってみたいな、とふと思うようになりました。運動が大嫌いだった中高生の頃と比べると信じられない変わりっぷりです。思いついてからすぐ実行に移すフットワークの軽さは、この留学で身についた思いがけない副産物です。

 

まずは大きな声で唔該と言おう

「唔該(ンゴイ)」は広東語で「ありがとう」や「すみません」を意味する言葉で、人を呼ぶ時や何かしてもらって感謝の気持ちを伝える時に使います。

先日人生で初めて香港に行きました。リエントリーパーミットを新しいパスポートに転記するためにスワンナプーム空港の出国エリアに行かなければならなかった、というのがきっかけですが、香港は今までの旅先とは違う点がひとつあります。それは現地で話されている言葉を全く喋れない、ということです。中高生時代に訪れたアメリカや現在留学中のタイではある程度喋れる状態で渡航したため、言語面ではあまり苦労しませんでした。香港では英語も通じますが、せっかくなので「ありがとう」「さようなら」などの基本的なフレーズを少し覚えてから行きました。

結果としてとてもいい体験になりました。こちらが広東語で挨拶をすると破顔して「喋れるじゃないか!どこから来たんだ?」と会話が弾み、お互い「再見!」「さよなら!」と言い合いながら別れることもありました。最後、帰りの空港で「次に来るときはもっと勉強してもっと喋れるようになろう」と決意しました。

逆の立場になって考えてみるとわかりやすいかもしれません。観光客に道案内をした後に「Thank you」と言われても悪い気はしませんが(お礼を言ってくれるだけでまず嬉しいです)、もし「ありがとう」と言われたらもうそれはとても嬉しくなります。おせっかいな老婆心がくすぐられ、「美味しいものは食べた?角を曲がってすぐのあの店が美味しいよ」と捲し立ててしまいたくなります。

我々が観光客として通る道や訪れる店は、そこに住む住人やその店の店員さん、日々足繁く通う常連客の方々によって支えられているものです。我々は数日の間だけそのインフラにタダ乗りさせてもらうのですから、礼を欠くのはいただけません。「私は客だ」と傍若無人に振る舞う輩は古今東西どこにでもいます。しかし、客はひとりでに存在するのではなく、亭主が客だと認めることで初めて客になるのだと思います。だから、客は礼儀があって当然です。そして、客として振る舞うためのドレスコードとして一番とっつきやすいのが言語、もとい挨拶かなと私は考えます。

客を広く迎えられる亭主でありたいし、亭主に優しく迎えてもらえる客にもなりたいな、とこの香港旅行を経て思いました。