Center for the Promotion of Global Education

グローバル教育推進センター交換留学マンスリーレポート

チュラロンコン大学
2025年4月 国際学部 Y.S

留学と語学力

 留学経験者全員が口酸っぱく言っていることですが、留学に行ったからとて語学力は勝手に伸びてはくれません。語学力は使ってこそ初めて伸びるのであり、留学はその機会を増やしてくれるだけにすぎません。逆を言えば、留学に行くということは、その言語を伸ばす類稀なるチャンスであるということです。留学に行けば街中が教材となり、注文や会計で店員さんに話しかければ、マンツーマンで会話の練習が始まります。語学学習にはそれほど乗り気でなかった私でも、コンビニで「ブラックコーヒーのSサイズをひとつください」と物怖じせずに言えるようになりました。要は場数です。場数を踏めば覚えるし、慣れるものです。

 タイでタイ語を習うのは至って普通ですし、容易です。日本語で書かれたタイ語の教材も簡単に手に入れることができました。しかし、他の言語となるとそううまくはいきません。タイ滞在中にHSK3級を取得しましたが、まず教材探しの時点で困難を極めました。日本語で書かれた教材は古本屋にかろうじて1冊あるのみ(しかもかなり年度の古いもの)で、結局Amazonで電子書籍版を購入して使用しました。受験当日もなかなか大変でした。試験前の説明がタイ語と中国語のみなので、事前に受け取っていた英語版の試験案内を穴が開くほど読み込みました。結果としてはHSK3級には合格しましたが、同時受験のHSKK初級(スピーキング試験)は不合格でした。帰国してからも勉強を続け、いずれ再チャレンジしようと思います。

 

Break a leg!

 “Break a leg.”は逆説的な慣用句で、舞台やオーディションに出る俳優に対し「頑張れ」と応援する意味合いで使われます。幸運を祈ると反対のことが起きるため、あえて不運を祈って幸運を引き寄せようとしたとも、見切れ線(レッグライン)を越えて舞台上でいいパフォーマンスができるよう祈ったともいわれ、本当にさまざまな説があります。

 そして私は本当に「頑張って」しまいました。

 そのとき私は飛び蹴りの練習をしていました。相手にミットを持ってもらい、そこに向かって一直線。ギリギリまで近づいたら踏み切ってジャンプ、そしてキック。あとは着地するだけですが、あろうことか足の裏ではなく足の甲から着地してしまいました。走る激痛。そして足の甲では着地の衝撃を止めきれず思いっきり転けてしまいました。

 その後も練習に参加していたものの、時間を追うごとに痛みが悪化し、止むを得ず病院のお世話になりました。医師の診察があり、X線検査があり、また診察があり、骨に異常はなくおそらく筋肉が炎症を起こしているのでしょうとテーピングの処置と薬をいくつか処方してもらいました。人生で初めて人に車椅子を押してもらい、受け取った領収書には合計:8千バーツ(約3万2千円)とあり、転けたとき以上の衝撃を受けました。

 これから留学に行く皆さん、保険には絶対入りましょう。ただでさえ怪我や病気をして弱っているところに高額請求をくらうのは致命的です。そしてもうひとつ、帰国まで1週間を切ったらできるだけ大人しくしておくことです。