この１年を振りかえって

　2月からの留学なので実質まだ1年は経っていませんが、9ヵ月ほど経った今、留学に来る前の自分と今の自分を比べると語学力だけでなく精神的にもかなり強くなったと思います。でも自分が留学前に想像し憧れていたような自分にはやはりまだまだたどり着けていません。中国に来たばかりの頃は本当にわからないことだらけで、授業でも先生が何を言っているのかわからないこともよくあり、自分だけ取り残されているような気がして悩んだ時期もありましたが、知らない間にそういう悩みもなくなっていました。今では授業中に先生の話している内容がわからないことはほぼなくなりましたが、会話力がまだまだだと毎日のように痛感しています。また旅行に行ったり、お年寄りの人と会話するときに必ず毎回思うのですが、なまっていたり方言を使われると本当に聞き取れません。こういう時もまた、自分の中国語の未熟さを自覚させられます。もし私がまだ2年生なら確実に留学期間を延ばしていましたが、今3年生で一番大事な時期に留学に来てしまったこともあり、色々考えた結果留学期間延長は断念しました。そういう風に思えるくらいこの交換留学で得たものは私にとってかなり大きいもので、何事にも自信のなかった私にやればできるという事を教えてくれ、もっと挑戦してみたいと思わせてくれました。残りわずか2ヵ月ほどの留学生活ですが後悔しないためにも精一杯勉強し、精一杯楽しんで帰りたいと思います。

帰国後の予定

　帰国してからは本当に毎日忙しくなると思います。文学部なので３年生で1年留学してしまうと4年生で多く単位を取得しなければならないことになります。また私は4年間で卒業するつもりなので就職活動も並行してしなければなりませんが、帰国が1月中旬になるので就職活動をするのも一般学生より遅れをとってしまいます。なので自由な時間の多い今、できることをしておこうと色々自分なりに準備しています。まだこれから何をしたいか正直はっきりしていませんが、せっかく中国留学に来て現地の中国語を学んできたので、これからも何かしら中国に関連した仕事に就くことができれば一番良いなと思っています。また3年で留学にきたため専攻科目の勉強が日本で勉強している学生よりもかなり劣っているので帰国してから授業が始まる4月までに少しでも遅れを取り戻せるように努力していきたいと思っています。

大連の人

　私が留学に来ている大連は日本人にとって本当に過ごしやすい所だと思います。大連には日系企業も多くあるせいか日本料理屋・日本人が多い方だと思います。また大連にはロシア街などの西洋風の建物もあり、「ここ中国？」と思わされるような所もあります。大連に最初に来た時の第一印象は、良い人が多い!です。前期のころ週末になるとよく買い物に行ったりしていたのですが、数回行っただけでも顔を覚えていてくれ、他の人よりも安くしてくれたり、何かおまけをくれたりすることがよくありました。これは私自身が体験したことなのですが、お母さんが大連に遊びに来た時に2度ぐらい行ったことがあった『ぬいぐるみ屋』に行ってお土産を買ったことがありました。たくさん買ったこともあり、かなり安くしてくれたのですが、帰る途中袋に穴が空き小さいぬいぐるみが無くなっていることに気が付きました。落としてしまっているので諦め、次の日にまた買いに行ったのです。お店の人も覚えてくれており色々話し、昨日買った物を落としてなくしちゃったから、また買いに来たという事を話したら、お店の人が「落としたのどれ？あげるよ！」と言ってタダでくれたのです。私達のミスなのに、そこまでしてくれるとは思ってもいなかったため、本当にビックリしました。これって日本でもそうそう無いことだと思うのです。この時改めて、「あ～、やっぱり先入観で何事も決めつけることってよくないな。どの国にも親切で優しい人は居るのだな」と思いました。本当に良い経験をさせてもらったと思っています。その後も友達の誕生日プレゼントを買いに行ったことがあったのですが、その時もおまけに別のものをくれました。完全帰国の前にまた会いに行き挨拶してから帰ろうと思っています。ただし、こんな良い人ばかりじゃりません。初めて中国に行かれる方は特に日本の常識は通用しないと頭の片隅にでも入れておいてください。日本にいたら当たり前のことが中国では通用しないことがほとんどです。このことさえ理解しておけば小さなことでも素直に喜べるようになると思います。いまでは「ありがとう。」「ごめんね。」のような言葉をかけられるだけでも嬉しく感じます。

　大連は帰国してまた機会があればまた来たいと思えるような温かい街です。冬はマイナスになるほど寒い街ですが、これさえ耐えられるのであれば大連はお勧めです。