Center for the Promotion of Global Education

グローバル教育推進センター交換留学マンスリーレポート

東国大学校
2019年11月号 経営学部 A.M

①カルチャーショックについて

よく、日本と韓国は似てる国だと言われるが、実際に留学に来てみて、違う点があることが分かりました。それは、社会の雰囲気です。具体的には、未来志向の社会づくりを目指す姿勢です。韓国では間違っているものを正しくしようとする動き、時代の変化に合うニーズを取り入れる早さが圧倒的に違うなと感じます。

それを可能にしているのは、議論が許される社会があるからだと思います。生きている中で感じる不平等や不条理について、世代を問わず議論し、それらをなくしていこうとする社会があることは、生きていく上で生きやすさを感じられるだけでなく、希望を見出すこともできるでしょう。

一方、日本では、議論が許される社会は形成されておらず、というよりもそのような社会が消えてしまい、いかに「普通の生き方」に従って生きていくかが重要視されると思います。実際、日本人は、日常生活の中で多くの不満を抱えているにも関わらず、それを議論して解消しようとはしません。議論しようとしないのもそうですが、むしろ、議論の仕方がわからないのもあると思います。分からないから、それができそうな人に全てを預けてしまうのですが、改善されないから、かえって生きづらさだけが募ってしまうのだと思います。そのような社会で生きていても明るい将来を見ることは難しいでしょう。

韓国社会は安心して生きていくことのできるところでした。勿論、私がただの留学生だからそう感じただけかもしれませんが…

それでも、生きづらさを抱える日本社会が韓国から学ぶべきものは多いんじゃないかな、と感じずにはいられません。

 

②DMZツアーに参加

先日、バディとDMZ(非武装中立地帯)に行ってきました。DMZとは、条約・協定などによって、戦闘のための装備や軍事行動が禁止されている地域のことを言います。北朝鮮を肉眼で目視できる地域であり、そこへ入るには軍の検問を通過しなければなりませんでした。

最初は、江華島に行きました。歴史の教科書にも出てくる江華島事件が起きたところです。周辺には鉄格子が張り巡らされていて、目の前には手つかずの漢江が流れていました。それらは分断の雰囲気を私たちに与えたと同時に、まるでその時から時間が止まってしまったかのようでした。

展望台に設置されていた望遠鏡からは北朝鮮の村を見ることができ、集落を行きかう人々や自転車に乗って移動する人の様子などを見ることができました。ガイドの方曰く、境界線の近くにある村は多くがカモフラージュらしいのですが、展望台から見えるその村は本物の村らしく、普段知ることのできない世界を少し知ることができました。

次に、イムジンガクに行きました。そこには北朝鮮へと続く2本の線路がありますが、そのうち1本は途中で線路が落ちてしまっています。これは朝鮮戦争の際に破壊された橋をそのまま保存しているためだそうです。近くには、襲撃された鉄道車両や北朝鮮にいる親族へのメッセージなどがありました。その中には、お母さんを残して亡命したとみられる方のものもありました。

ソウルから車でわずか1時間ほどのところにあるDMZには、朝鮮戦争の悲惨さや統一への想いなどを知ることができる場所であり、本当に特別な機会でした。