①試験について
東国大学校では4月に中間試験、6月中旬に期末試験があります。今回は私が大学で受講していた授業のうち「東アジア古代史」と「漢字とコミュニケーション」の二つの試験について報告します。どちらも記述を中心とした形式であり、単なる暗記ではなく授業内容を理解し自分の言葉で整理して答える力が求められた点が印象的でした。
まず「東アジア古代史」の試験についてです。この授業は、先史から唐の成立に至るまでの中国の歴史を扱ってきました。試験では短答式の問題がごく少なく、中心は歴史の流れや要点を記述させるものでした。そのため講義で扱われた断片的な知識を寄せ集めるだけでは不十分で、複数の出来事を関連づけながら大局的に説明する力が必要でした。試験に向けては、時間軸に沿って通史的にまとめ直す作業を繰り返し行い、出来事間の関連性を理解することが有効でした。
また、「漢字とコミュニケーション」は漢字文化圏での漢字の音義形(音韻、意味、字形)の違いや他地域での漢字の受容と使用を学ぶ授業でした。試験では表を埋める設問もありましたが、それ以外は記述式でした。ただし短答問題も記述問題も授業で配布された資料や講義中の説明がそのまま出題されたため難易度はそこまで高くありませんでした。
両者を比べると、「東アジア古代史」は理解力を試す発展的な試験であったのに対し、「漢字とコミュニケーション」は授業内容を再現できるかを確認する試験でした。性格は異なりますがいずれも単純な暗記ではなく、自分の言葉で整理して答える姿勢が不可欠でした。
②図書館・閲覧室の利用について
東国大学校には、学生であれば誰でも利用できる中央図書館があります。館内には約170万冊もの図書が所蔵されており、人文・社会・自然科学など幅広い分野の書籍や資料に自由にアクセスできます。授業の予習復習やレポート作成の際には必要な資料をすぐに探し出すことができ、学習環境として非常に恵まれていると感じます。深草図書館と比べても規模が大きく、資料が整備されているため、調べ物をするときに大いに助けられています。
また、キャンパス内には自習用の閲覧室が三カ所設置されています。普徳閲覧室・第1閲覧室・第2閲覧室のいずれも静かな環境が整っており、周囲を気にせず集中して勉強することが可能です。特に普徳閲覧室は24時間利用できる点が最大の魅力です。授業や課題で遅くまで勉強したいとき、あるいは昼間に一度休憩して夜にまた集中したいときなど、時間を気にせずに活用できるため、留学生にとっても非常に便利です。実際に私も、部屋で勉強に行き詰まったときは気分転換を兼ねて普徳閲覧室に移動することが多いです。寮の部屋は夜中に外出できませんが、閲覧室であればお腹が空いたとき、外の風を浴びたいとき、自由に出入りできるため勉強にも集中しやすくなります。