Center for the Promotion of Global Education

グローバル教育推進センター交換留学マンスリーレポート

上海師範大学
2013年5月号 経済学部 H.H

治安、危険を感じたこと、トラブルについて

上海に来てもう三ヶ月が経とうとしています。こちらに来る以前、中国で三ヶ月も暮らせば多少なりとも、身に危険を感じる様なトラブルが起きるだろう、と思っていました。しかし意外なことに、今のところトラブルらしいトラブルは何一つ起きていません。大学の周りの治安も、日本と比べて悪いと感じたことはありません。あまり夜遅く出歩かない、といった基本的な事を守っていれば、安全に暮らすことが出来ます。

ただ、周囲の人達からよく言われるのは、ズボンの後ろポケットに財布や大事な物をいれないように、ということです。この事に関しては留学生だけでなく、中国人の知り合からも言われるので、注意したほうが良いでしょう。

日本と比べて中国が危険だと感じるのは、交通に関してです。日本では、ドライバーは基本的に歩行者優先で運転しますし、歩行者が車のすぐ近くを歩いている時は、ほとんどの車が一旦停止します。しかしながら中国の場合、歩行者優先はありません。歩行者が信号を渡っているときでも、どんどん右折の車(中国は右側通行)が歩行者の隙間に入ってこようとするので、こちらが気を付けていなければ、内輪差で足を引かれていたな、と思うような場面がたびたびあります。

また中国には、電動の原付がたくさん走っています。これらの原付は、走っている時にあまり音がしないので、側に来るまで気づかないことが多いです。道を横切るときには、ぶつからない様に注意が必要です。

 

中国に来て初めてわかる「本当の自分」

海外留学をすれば色々な経験が出来る、とよく聞きますが、このレポートを読んで下さっている方々は、どんな経験を思い浮かべるでしょうか?私自身は知り合いから、「価値観が変わった」と聞くことが多いです。そして実際、三ヶ月暮らしてみて、私の価値観もだんだん変わりつつありますが、この事に関する私の感じ方は、他の方々とはちょっと違うように思います。

日本にいるとき私は、バスに乗るにあたって、列に並ぶのは当然だと思っていました。そのこと自体が、私の道徳の一部ですらあると感じていました。ですので日本にいる時、列を抜かして乗車する人を見かけると、少しムッとしていました。

しかしながら中国に来ると、そもそもバスに乗るにあたって列を作りません。乗りたいバスが来たら、そこにどっと人が押し寄せる、といった感じです。私は中国のこういった乗車方法がとても気に入っています。「○○番のバスに乗りたい」という基本的なニーズ以外、何も考えなくてよいからです。

最近この事を考えていたとき、私はハッとあることに気づきました。それは、列に並んでからバスに乗ることが、もし私の道徳であるなら、中国におけるバスの乗車方法は、到底受け入れられるものではない、ということです。つまり、私が自分の道徳だと思っていたことは、実は社会のそれであり、私のものではなかったのです。

それに気づいたとき、私はゾッとしました。同じような例をいくつも積み重ねた時、何からも影響を受けていない、本来の自分だと確信できる部分は、どれだけ残っているのだろう、と思ったからです。しかしこの事実は同時に、私の好奇心を大きく掻き立てました。こういった気付きを重ねていけば、もっと自分のことを深く知ることが出来る、と感じたからです。

これが今、私の経験している価値観の変化です。この文章の最初に、私は価値観の変化に対する感じ方が、他の人と違うように思う、と書きました。つまりそれは、自分の価値観の変化を感じられるほど、私は自分のことを知らなかった、ということなのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レポートの話題とは関係ありませんが、大学のグラウンドの写真です。誰でも自由に使うことが出来ます。撮影時はとても人が少なかったのですが、毎日たくさんの人がサッカーをしたり、周囲のトラックでランニングやウォーキングをしています。学外の人々もたくさん利用しています。