① 渡航・入国について
地元から関西国際空港、イスタンブール空港を経由してデュッセルドルフ国際空港に向かった。関西空港にて保安検査場へのゲートが想像以上にすんなりと通ることができ、両親との別れの挨拶があまりにもあっさりしてしまったことが心残りである。この心残りは、後に留学生活約3日目で来る漠然としたさみしさや不安に拍車をかけて、「両親にはこんなに迷惑をかけたのに、別れの挨拶をこんなにも淡白にしてしまった私はこの世の諸悪の根源に違いない」と思わせる。もし今、保安検査場ゲート前に戻れるのなら、両親のもとに引き返しておいしいスイーツのひとつやふたつ買ってもらい、今後の危険因子を排除できればと思う。あっさりと終わってしまった両親との別れの挨拶のあと、これから1年間大好きな地元に帰れないことを考えてしまい涙が出そうになったが、せわしない検査によって7秒ほどで気持ちは切り替わる。イスタンブール行きの飛行機内でその涙が再発したため、終始ふわふわのタオルを手元に置いていた。通路を挟んで隣のマダム(クロアチア旅行)が話しかけてくれ、「なんでもYESと言ってはダメよ」と海外生活でのアドバイスをくださった。ドイツに到着してからは、バディと友達が空港まで迎えに来てくれ、無事に入寮することができた。ここまで円滑に物事が進んでいるのは、すべてバディのおかげである。支えてくれるバディへの感謝は常に伝えるようにしている。
② オリエンテーション・授業選択について
バディから「あまり授業を取っては苦しくなるよ」とのアドバイスをいただき、週に3回(2つの授業)というかなりライトなスケジュールにした。私の周りの留学生は、3つ4つほど授業を取っているようだった。ただ、ドイツ語のみで1コマ3時間半である。留学したての初心で繊細な精神状態にはこれが限界であった。この選択には全く後悔してらず、おかげでギリギリ身の丈に合った穏やかな学生生活を送れている。
授業内容は、3時間半ドイツ語でひたすら話す。またクラスの人たちは手を挙げて発言するのではなく、友達と話すような感覚で発言している。今までとは違う授業形態に慣れず、なかなか発言する勇気が出ない点が私の課題である。また、今までは分からないことがあれば日本語を使うことができたが、幸か不幸か、ここでの共通言語はドイツ語と英語しかない。さらに授業のコンセプトとしては“Nur Deutsch”のため、分からない単語があれば友達と顔を近づけこっそり英語を使い教えてもらう。そもそも何を言っているのかを理解しないといけないため、きちんと働いているか分からないが頭を常にフル回転させている。おかげで週に3回でも学ぶことは十分に多い。