Center for the Promotion of Global Education

グローバル教育推進センター交換留学マンスリーレポート

東フィンランド大学
2024年11月号 国際学部 R.Y

1.授業紹介

 日本は単位を使用しますが、私たちの大学は単位の代わりにECTSというものを用います。多くの場合、1つの授業は5ECTSからなります。そこに関して、大学から推奨されている総ECTSは秋春それぞれ20から30程度でした。秋セメスターは最終的に計23ECTS、合わせて5つの授業の登録を行いました。

 そのセメスターについては日本と同様に春と秋に分かれていますが、春のみ開始時期は異なります。私のプログラムは9月開始のため、まずは秋セメスターからでした。シラバスの内容は大抵日本と変わらないものでしたが、各授業に難易度が記載されていたことには非常に好印象を覚えました。

 いよいよ授業が始まりました。オンライン型の授業ももちろんありますが、留学生であれば交流のためにも対面式のものに限ります。その点、できる限り異なる環境で受けようと、少数形態の講義から大講義となるものまで受講出来るよう調整を行いました。現時点、やはり海外の学生さんが持つ授業への積極性というものは心底見習うべきものと実感しています。

 ひとつ、日本と最も異なる部分について話すなら授業頻度でしょうか。もちろん登録した授業、そしていまの自分の学位などが関係してきますが、私の場合感覚的には平均で週2日ほどと感じます。それに日本と同様、一コマは90分です。一般に毎日通う日本とは大変大きな違いです。それ故時間的余裕も生まれるため、特に留学生たちは合間を縫って旅行へ行くことが非常に多いと感じます。学校主催の旅行行事があるほどです。とはいえ、授業日数が少ない分長時間の自主学習も求められます。雨・強風・雪などの悪天候も関係なしに海外の学生は早朝から自転車を走らせ、夜分遅くまで図書館に籠り勉強をしています。そんな光景を自分の寝室から学校にかけてまでよく見かける毎日です。ただ少なくともその姿勢は、私の意識的な部分に繋がるものとして確実に良い刺激となっています。

 意義ある留学生活にするためにも、勉強面においては他人の良い姿勢をきちんと見習いつつ、この秋にできなかったことを春に向けて少しずつでも変えることができればと思います。

 

2.なぜ私はフィンランドを選んだのか

 北欧というとオーロラのイメージが一番にあったせいか、昔から憧れの場所でした。そのため、いま実際に北欧での生活が実現できていることには幸せの一言に尽きます。中でも今回の留学、私はフィンランドを選びましたが、そのオーロラはもちろんのこと広大な美しい自然には圧倒され続けています。故に環境が最大の決め手となったと言えます。ただし、フィンランドを自然ひとつでまとめ上げてしまうのは非常に勿体無いことであります。

 つきましては、フィンランドの魅力について実際に住んでみての感想を踏まえ、より詳しく書かせていただきます。これまで何人かのフィンランド人との交友を持つことができましたが、彼らと話しているとより多くの情報を得ることができました。まず、フィンランド人は日本人と同じようにシャイとの印象がよくありますが、大概その通りだと感じました。やはり話しかけさえすればとてもフレンドリーです。また、男性は兵役の義務があるせいか比較的背の高い屈強な人が多いイメージです。彼らに日本についての印象を聞くと、嬉しいことに好意的なイメージが多くありました。この点についてはフィンランド人に限らず、出会った多くの人が親しく接してくれています。ただし距離的な問題からそう簡単に行けるところでもないため、行ってみたいに踏みとどまっている人が大半を占めていました。どちらにせよ、フィンランド人の国民性、人柄についてはとにかく親切で優しい方が多く、実際にそれが生活の大きな支えとなっています。

 その生活環境も一つの魅力です。それにはフィンランドの文化的な部分が大きく関係しています。中でもサウナは大きな存在です。先日、寒中水泳が可能な地元のローカルサウナに行ってきましたが、発祥国ということもあってか老若男女ひっきりなしに賑わっていました。それは誰もが気軽に行ける一種の交流の場となっていました。本場での体験はやはり特別なもの、そして敬意を表すべきものであると、実際に体験してからでないと分からない感覚を覚えました。

 また、ゆったりとしたライフスタイル、犯罪率の低さも忘れてはいけません。町に24時間営業のお店はまず基本的にありません。家族との時間を大切にする風潮、メリハリのある平等的な社会にあることが町の雰囲気から滲み出ています。故に、落ち着きのある平穏な生活を送ることができています。

 しかし、唯一苦労している点を挙げるなら確実に物価高です。ましてや9ヶ月の生活のため、お金の管理については日々気を配らなければなりません。それに休暇の旅行費も加えれば、150万円ほどは必要かもしれません。より有意義な時間を送るためにも、渡航前に稼げるだけ稼ぐことに尽きます。

 苦しくも時間は一瞬にして過ぎます。これほど魅力に溢れた国にいられることには本当に感謝しかありません。とにかく日々を大切に、未来を見据え生きていきます。

ローカルサウナ

数十日ぶりに晴れた日(大学から)