Center for the Promotion of Global Education

グローバル教育推進センター交換留学マンスリーレポート

リネウス大学
2023年 1月号 国際学部 S.S

①この留学を振り返って

現在は帰国して日本でこれを書いています。

この1年を振り返ると濃すぎて自分でも忘れてることが沢山ありそうで少し悲しくなります。長めの夢を見ていたような感覚もするし、人生のボーナスを早めにもらったような気もします。もちろん大変な事も沢山ありましたがほとんどの時間を自由に過ごせたこの1年間は私にとって天国のようでした。なんて素敵な一年だったのだろうと思います。大学の授業も大変でしたが、最も大変だったのは自分と向き合う事でした。これまで恐ろしく忙しく生きてきたので、こんなに自分と向き合う時間なんて無かったのですが、1人で旅行する時間も多く自分について勉強する時間も考える時間も、それについて誰かと話し合う時間も多かったと思います。自分と向き合う事がいかにシンプルで難しい事かを感じた一年で、色んな話を聞かせてくれたり聞いてくれた人達に心から感謝しています。

この一年間で感じたこと、学んだことを今読んでくださっている方にぎゅぎゅっと凝縮してお伝えできれば、どんなにいいことかと思いますが、残念ながら私も私の脳内の情報処理の段階です。なので、今回は少しそれますが、帰ってきて現在自分がどんな風かを書こうと思います。これを読んだ担当者の方が怒らないことを祈りながら。

日本でお馴染みのフレーズ「遠足は家に帰るまでが遠足です。」このフレーズは人生の本当に色々な場面に当てはめることができます。ホテルでバイトの研修中、会社の災害又は医療保険の説明を受けていたときに言われたことがあります。「バイトは家に帰るまでがバイトです。」と。これは、帰宅途中に怪我や災害に巻き込まれてしまった場合に会社から病院代を負担してもらえる話を含めて注意喚起として言われました。

そして今回ですが、果たして「留学は家に帰るまでが留学」なのでしょうか。少し哲学的になりそうですが、私はいわゆるである日本に帰ってきました。しかし、逆カルチャーショックに意外と苦しめられています。家だと思っていた場所がなんとなく傾いてみえるといった感覚です。人によっては自暴自棄になりそうですが、私は意外とそんなことはなく、これも留学の特典としてみています。(みようと頑張っています。)今まで当たり前と思っていたことが良くも悪くも違ってみえることは、考えるきっかけになるからです。それよりも懸念しているのはスウェーデンで学んだ事や感じたことが手のひらから溢れて滑り落ちていきそうなことです。価値観の上で私はこの1年をかけてもう1本の物差しをつくりました。そのもう1本が日本で生活している上で消えていきそうなことが私が今1番懸念していることです。たとえ日本に慣れたとしても、自分の中で作った物差しは2本持ったまま生きていきたいし、それを消してしまうことは私の中の留学は家に帰れていないような気もするのです。

留学と一言でいうことさえも憚る様な濃い貴重な1年でした。そんな私の1年が私の中の家に帰れるように現在も自分の中に落とし込めていつでも2本を出して測れるように磨いて確認して職人のように生きていきたいです(何言ってんねん)。

最後に旅行中に出会った人もスウェーデンで出会った人も日本にいる友達も含め、私を支えてくれた全ての人達に最大限の感謝を送ります。

②留学経験をどのように活かすか

この一年間で学んだことは沢山あります。メンタル面でも、英語面でも、考え方の面でも本当に沢山です。さてそれをどのように活かすかですが、正直全然分かりません。これを読んだ国際学部のお偉い方々は手の震えでコーヒーが飲めなくなりそうですが、私はこれでいいと思うので思い切って言ってみようと思います。正直全然分かりませんと。もちろん身近な事だと英語をある程度話せるようになったので、海外旅行にこれからもコンスタンスに行きたいとかスウェーデンのフィカを生活に取り入れたいとか当たり障りのないことだと言えます。

でも、この質問が私の将来の仕事や住む場所に関係しているのであれば私に現在言及できることは少ないです。英語が話せるようになったからといって英語を話す仕事につきたいとも確実に思っていないし、どちらかといえば、自分の興味がある分野に英語が必要であれば使うくらいの気持ちです。私の他にも留学している人達がいるので正統派を読みたい人たちはそちらを参考にすれば良いと思いますが、私が言いたいことは答えられない時間があってもいいと言うことです。スウェーデンで1年間生活し、大学で授業を受けてヨーロッパの色んな国を旅行して色んな人に出会いました。特にしゃかりきに働いて次がいつでも用意されていることが理想的である日本にいると1通りがかっこいいスタイルで、意外とこちらの世界でも正統派として称賛されていますが、残念ながら人生そんなに上手くいかないもので困惑している時間も何もできない怠惰な時間も平等にやってくるものです。もちろん就職して、仕事を持った後でも向上心の中で生きていたいですが、そうできない時や単純に情報を処理しているときは、分かりませんと言ってもいいと思います。1年間の交換留学が終わりましたが、まだまだ私は人生の激流の中にいます。就活のこと、それから先も自分がどうやって生きないといけないのか特に20代の間は悩み抜くんだろうなと思っているし、目の前にあることを考えてこなして生きることで今は精一杯と言うのが正直なところです。私はこのテーマに関しては、今は明確に答えを上げないでおこうと思います。1年後でも5年後でも、自分がこの留学を振り返ったときにこの1年の経験が活きていた人生にしたいと思っています。

自分の寮の部屋の壁 (1年間色んな機会にポストカードを集めていたらこんな量になりました)

コペンハーゲン