Center for the Promotion of Global Education

グローバル教育推進センター交換留学マンスリーレポート

リヨン第三大学
2022年12月号 文学部 A.H

12月に入り、リヨンはすっかり冬になりました。現在、最低気温は0度を下回り、最高気温は5度に届きません。外出するときは手袋にマフラーをしています。ニット帽をかぶっている人もとても多いです。気温も低いうえ晴れ間が少ないので少し気が滅入るときもありますが、テストを終えすでにバカンスに入ったので気持ちは軽いです。

今月号では①治安やトラブルについて、②食についてお話します。

①治安やトラブルについて

〇治安

-リヨン全体:これまでドイツ、オーストリア、スペインを旅行しましたが、フランスはそれらのどの国よりも治安が悪いと感じます。パリと比べるとリヨンは多少暮らしやすいかもしれませんが、とはいえ治安は悪いです。性別や体格によって感じ方は異なると思いますが、総じてアジア人(中でも日本人)は舐められやすいですし、スリなどの標的にもされやすいことは確かだと思います。誰にとっても決して安心して暮らせる環境ではないと思います。

モールや駅、スーパーの入り口など多くの場所で物乞いをしている人を見かけますし、知らない男性にやたら親しい雰囲気でいきなり話しかけられたことも数回あります。本当に困っていて話しかけられていることもあるかもしれません。が、知らない人に話しかけられても目を合わせず無視するのが賢明だと思います。

また、すでに数回述べていますが、Guillotièreは特に、昼夜を問わず可能な限り避けてください。領事事務所の方から、最近Guillotièreで警察官が首を刺されたと聞きました。そのほか、リヨンの中心地であるPart-Dieuや、Vieux-Lyon、Fourvièreといった観光地はスリが多いです。貴重品は目の届く範囲で管理してください。GillotièreとFourvièreでそれぞれ、一緒にいた友人がスリに遭いかけたことがあります。SNCFの発着駅でもあるPerracheや、métro D線の終着駅であるVenissieux、Villeurbanneなども治安が悪いと聞きます。これら以外の地区も治安はよくありません。特に女性は、どこであっても早朝や深夜など人通りの少ない時間帯に1人で出歩くことは避けた方がよいと思います。

そのほか、先月末からフランスでもサッカーワールドカップがとても盛り上がっています。シャンゼリゼ通りでのサポーターの衝突・死亡事故などは日本でも報道されているかもしれません。フランスやモロッコの出場する試合前には、在リヨン領事事務所から「外出を控えるように」という旨の注意喚起のメールがこれまで数回届いています。先日届いたものによると、リヨンでは14日の試合後、群衆に紛れ込んだ極右派と思しき団体や身元不明の覆面集団によるサポーターへの暴力行為、警官隊にガラス製の投射物を放つ等の行為があったようです。国を挙げての大きなイベント時には外出を控えたほうがよいかもしれません。

-公共交通機関:リヨンには大きくmétro、tram、busの3つの公共交通機関がありますが、個人的にはtramが最も治安が悪く、比較的ましなのはmétroであると感じます。私自身はスリの被害には遭っていませんが、日本人の友人が先日公共交通機関での移動時にスマホをひったくられたと聞きました。移動時の防犯対策としては開閉する扉の近くに立たないこと、扉の閉まる直前はスマホなど高価なものはしまうことが有効だと思います。また、以前22時半ごろに友人とmétro A線を利用したとき、ホームでじっとこちらを見ながら近づいてきた男性がいました。人ごみに隠れたり電車を1本見送るなどして離れることができましたが、自分の部屋に着くまでとても怖かったのを覚えています。スリと同時に周囲の人にも気を配り、危なそうな人からは距離を取ってください。用心してもしすぎることはないです。

〇トラブル

ちゃんと履修登録手続きをしたのにいつまでも授業登録が反映されなかったり、作動しない寮の電子キーを未だに交換してもらえなかったり、日本からの荷物をスムーズに受け取れなかったり…、こちらに来てから経験した小さなトラブルは挙げるとキリがありません。しかし幸い今のところ私は大きなトラブルには巻き込まれていません。

 

②食について

リヨンに留学すると言うととてもよく掛けられたのが、「美食の街だね」という言葉でした。今月はリヨンのレストランやカフェ事情についてお話ししたいと思います。

◯レストラン

リヨンには、リヨンの郷土料理を提供するBouchon Lyonnaiseが多くあります。目印は赤いギンガムチェックのテーブルクロスで(↓最近行ったbouchonは違いました)、特にVieux Lyonで多く見かけます。もともと絹織物産業が盛んだったリヨンですが、Bouchonはその労働者たちが腹を満たす場所であったようで、値段も控えめです。

そのほかリヨンには、国内外で有名な3つ星シェフであるPaul Bocuseのレストランが沢山あります。彼は、Saint-Exupéryなどと並んで、リヨンの有名人が描かれている壁画「Fresque des Lyonnais」にも描かれています。学生には敷居の高いお店ですが、リヨン滞在中に一度は訪れてみたいレストランの一つです。

また、フランスにはタコス屋やケバブ屋がとても多いです。タコスにフライドポテトが入ったフレンチタコスは、値段も控えめで学生の定番です。

◯カフェ

クラシックなカフェが目立つパリに比べて、リヨンのカフェはより現代風である印象です。韓国風のカフェもあります。到着当初驚きだったのが、日本ではカフェで頼むコーヒーというと150ccほどのコーヒーカップのコーヒーが一般的ですが、フランスの定番は30ccほどのエスプレッソだということです。よく分からないままcaféを注文して小さなエスプレッソカップを渡されたときは驚きましたが、マダムやムシューが小さなエスプレッソカップを片手に談笑している光景も見慣れました。café allongéを頼むと、私たちの想像するいわゆるコーヒーが提供されます。リヨンには居心地のよいカフェが沢山あるので、ぜひご自身で色んなカフェを開拓してみてください。