①留学を振り返って
今振り返ると、留学中はうれしいことや楽しいことも、悔しいことや悲しい気持ちになることも多くありました。まず留学以前に海外経験がほとんどなかったので、日本での生活から全てが変化して、慣れるまでは想像していた以上にしんどかったです。言語の問題はもちろん、食文化や治安、衛生面など悩みは尽きませんでした。それに加えて特に留学当初は、優秀な周囲の留学生と自分を比べて自身の不甲斐なさに落ち込むこともありましたし、知り合いもいない中でとても心細かったのを覚えています。しかし他人と自分を比べても仕方がないですし、「昨日の自分より少しでも成長しよう!」と自分なりに前向きに頑張るようにしていました。
問題が山積しているように感じても、一つ一つ解決していけばどうにかなりますし、思い切って助けを求めてみると親切に手伝ってくれる人がいました。リヨンには日本人留学生や日本語が堪能な現地の学生も多くいるので、必要な時はそういった友人を頼ることも一つの手です。留学期間を一緒に乗り越えた日本人の友人たちは、帰国後も変わらず私にとって大切な存在です。
メンタル面では色んな理不尽や不便も「またか!」と笑ってやり過ごせるようになったとき、言語面では冗談が通じて笑ってもらえたとき、友達とフランス語で喧嘩したときに自分の成長を感じました。
②留学経験をどのように活かすか
留学中、様々な国籍やバックグラウンドを持つ友人たちと関わる中で、彼らと進路や将来の話をする機会もよくありました。日本では学士を取得したあとは新卒で就職するのが一般的だと思いますが、友人たちの回答は「修士課程に進学したい」「起業したい」「まだ分からない」などと様々で、驚いたことを覚えています。同じ日本人の留学生の中にも、フランスでの大学院進学に向けて準備している友人、実際に修士課程に在籍されている方、また将来的な移住を目標に行動している友人がいたり、「普通はこうする」という通念に囚われることなく柔軟にそれぞれの将来を考えている友人たちにとても刺激をもらいました。それ以外にも駐在員としてフランスでお仕事されている方とお会いしたりする中で、私自身も、留学を経て自分の将来設計が少しずつ明確になったように感じています。そういった広い価値観や考え方に触れられたこと、自分を振り返る時間が持てたことも留学経験で得たものの一つだと感じています。
最終的に私は、海外に関わる仕事がしたいという思いから、大学卒業後は内定をいただいた機械メーカーに就職する予定です。私は4回生8月~5回生5月にかけて留学しており、就職活動をした期間は、留学前の3回生春~秋(インターン、説明会参加等)と、留学後の5回生6~7月(説明会参加、本選考)でしたが、留学を経て自分のやりたい仕事が明確になったことで、帰国後の就職活動は比較的滞りなく進めることができたと感じています。私はフランス留学を通じて行動力とコミュニケーション力がとても伸びたと思っています。就職活動においても私のそういった強みを評価してもらい、最終的に志望企業から内定をいただくことができたと感じています。
最後に、留学をすることの価値の一つは、日本を外から眺められるという点にあると私は考えています。日本を出て気付いた日本の良いところ・悪いところ、そして同様にフランスをはじめとする外国にも良いところ・悪いところがあると思います。世界のどこで生活していても、自分の価値観を大切にしながらも柔軟に更新して、私らしくいたいと考えています。